昨日(11/18)より、アク抜き作業が始まりました。本日より”平ちゃん”が加わりました。
アク(灰汁)とは、灰の中にあるアルカリ成分で、これの多少で釉薬としてやきものにした時に”ブクが出る(表面が泡状になる)”ため使用できません。アク抜きとは、水簸(すいひ)を繰り返して余計な灰汁を取っていく作業になります。
但し、灰汁を完全に抜ききることが良い釉薬の条件なのか、また灰汁の多い少ないによって作品がどのように変わるか。また、灰汁など神経質に抜かなくたって大丈夫。という人もあり、文献でも意見は様々です。もちろん、やり方も様々です。
いよいよ、灰釉研究も本題に入ってきました。今回一度では結論は出ないと思いますが、本日やり残した作業を宿題として持ち帰った研究員のみなさん。灰はどのような表情を見せていますか?
並べてみると、21種類作ったことがわかります。ざっと見た感じでも、色も質感もばらばらです。手触り、匂いも違います。もちろん灰汁の状態も触ってみて違いがあります。
- 水をたっぷり入れて大きな燃えカスを取る(ザルですくったり、漉したりする)
- よく撹拌して灰汁を出す。粒子の荒いものは細かくして網を通りやすいようにする
- 底にたまった砂、土は混じらないようにして、上澄みの水を捨てては水を足し撹拌する。を繰り返す
- 上澄みが澄んでくる。ぬめりが無くなっていく。なめた味。など、上澄みの状態を観察しながら変化を確認する
- 灰汁が抜けた灰は粒子の調整に入る
- 藁や籾、マコモなどぱっと燃えて黒い灰はかさがあって、水を入れた時にどろっとした灰が殆ど無いものは、黒い灰?を細かく擦る事によって微粒子の灰を作ることになります。
- 一方、木の灰は雰囲気が全く違います。灰色ないし赤みがかった灰は水に解くと微粒子の灰?と炭が分れるため、ザルで漉すことによって余計なものがとれ、作業が楽です。どちらも、底に沈んだ石、砂、土は灰に混ざらないように注意すべきだと思います。
- 何れにしても灰の粒子が目で分かるので、最終的にどの程度の粒子にするかは、経験と好みによるものだと思います。
- 粒子も、揃えるのか、バラバラでよいのか。などの判断もありそうだし、ポットミルや乳鉢を使った”擂り方”や、”何番目の網で漉すか”もまたポイントになりそうです。
ちなみに、この灰汁は洗剤として使えるとのことです。また染物の媒染液に、山菜のアク抜きにと、ちゃんと無駄なく生活用途があるところが興味深いです。
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