2011年3月19日土曜日

追伸「東北関東大震災」について

無念にも生命を落とされた皆様とご遺族へ、深く哀悼の気持ちをお伝えします。また被災された皆様。そのご家族、友人を持つ皆様にお見舞い申し上げます。

今回の灰釉研究で、コーディネート役を務めた村越です。研究会の中で伝えられなかった事、感じた事など、今回の災害と合わせて皆様にメッセージを残したいと思います。

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くしくも、この灰釉研究会の最終日は、東北沖地震発生から6日目の、妙高市で初めての計画停電の実施予定時間と重なりました。

結果的に停電は実施されませんでしたが、様々な情報が行き交い、情勢も落ち着かない中の開催となり、参加いただいた皆様、最後まで見とどけてくださった皆様に深く感謝しております。

さて、この研究は、アルネ小濁事業における、やきもの事業の一つとして実施されました。

テーマは「自然から個性を学ぶ」ということで、「個々の違いを感じ認めることを実体験する」を目標としていました。成果物作成以外にも、関わったかたはそれぞれに何かを感じ取っていただけたら幸いです。

さらに私は、この活動の途中で多くの事を学ばせていただきました。

  • 灰が貴重なものであること
  • 炎はすばらしい魅力をもっていること

そしていずれも、自然の素晴らしさ、そして尊敬、感謝に導かれるものでした。

人々は「簡単便利」という、人間の都合を基準に文明を支持し、文化を築いてきたように思います。炎に端を発した「明かり」は照明器具+電気に。「熱」は暖房器具、調理器具+燃料や電気に・・

それは、「汚れない(クリーン)」「安全(炎が出ない)」「無臭」「扱いやすい」など良いことばかりでした。しかし、それは「人にとっては」だったのではないでしょうか?あるいは、売買利益といった企業のためでもあったかもしれません。

これらは、あまりにも犠牲が多すぎた。そのように感じています。

 

近年、クリーンエネルギーと双対象にある「薪」の価値が見直されたり、その不思議な魅力にひかれる人のニーズが高まっています。そこでまた新しいビジネスが登場したりするのですが、短絡的に「私が欲しいから」「欲しがっている人がいるから」という気持ちを抑えて、こういった欲求に対して、少し立ち止まって考えてみませんか?

自然は人間のためにあるのではないのです。延々と続いてきた、たまたまの環境が人間を生み出し、その人間が「たまたま生きていけている」だけの事です。他の動物より少しばかりの知恵をもった人間が工夫をし、欲を叶える事で「成功、達成」として、人間の都合で、ありのままの姿をねじ曲げ、それを文化として片付けているとしたらそれは勘違いです。

人の手によって滅びること。それもまた自然の成り行きかもしれません。運命とか戒めとかいうものかもしれません。

そうだとしても、今できることは最大限学ぶ事だと思うのです。子孫のため、とか未来のため、とか別のものに転化することもある意味よしましょう。自分が生かされてこの地に生まれ、今起きていること。これから起きようとしていることからメッセージを感じ、自分なりの表現してみること。それが大事だと思ってやみません。

 

アルネ小濁事業の拠点となる小濁地区は、限界集落と呼ばれています。少子高齢で住民が少なく、地すべりという自然災害の対応策で水が不足し、困難となった生活環境を改善していける体力に乏しいのが現状です。つまりここでの活動は、疑問と解決を自分の中でもくもくと繰り返す作業の連続となります。

「未来とは」「作るとは」「暮らすとは」「幸せとは」・・

作ること。表現することをテーマとして、住民から学び、自然から学び、そしてものをつくり表現する。それをやろうとしている小濁と関わっている事が、偶然とは思えないような事象が起きました。「東北関東大震災」です。その最悪の事態を引き起こした原因は予想し得なかった津波ではなく、人が作った「原発」です。

震災と戦う今、求められていることは、それぞれの役割を全うすることだと理解していますが、とりわけ、自然の中でものを作っていく精神は忘れないようにしたいのです。自然とは人の手によって変えられるものではない。また、変えてはいけないものだと思うのです。時間をかけて対話し、失敗や災いから学ぶ。決して人の都合でねじ曲げない。怖さは怖さとして残しておく。

祈り、感謝、敬い。それらを表現する時代になった。そう感じています。

「東北関東大震災」の被災者やその地域、経済打撃と共に、日本も世界も歩んでいく事実は変わりません。私はその一員として、今をしっかり受け止め、表現していきたいと思っています。

灰釉研究会最終まとめ

2010年9月から始まった灰釉研究会。灰となる材料探しから、焼成、テストピースの手作り、ポットミル機の手作り、灰のアク抜き、灰摺り、テストピース焼成(酸化と還元)を経て、テストピースの資料、データとしての資料、灰の資料などが成果物として残りました。

最終の反省会では、お仕事で出席できなかった、山崎さん、竹田さん、中嶋さん、田中さんになりかわって作業を振り返りまとめとしました。

「火を見る生き方を感じることができて、今回参加できてよかった」(由美子さん)「昔を振り返って、火のぬくもりを感じ、また火に近づきたい」(玲子さん)などの発表がありました。 灰の存在の価値に気づかされた半年でした。

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これらの成果は今後の活動に活かし、新たにやきものを目指すかたへの参考とさせていただくと共に、「個性」について学ぶ資料として活かしていこうと考えています。

なお、これらの資料は、ネットでいつでもご覧いただけます。「灰釉研究/22年度やきものゼミ

昨年度研究成果「妙高の土研究データ 焼成データ(収縮率、耐火性等)「原土とテストピース」写真資料」と共に、なにかの機会に、一般のかた向けに展示、公開の場を設けたいと思います。興味をお持ちのかたはご連絡ください。

また、これらをご自身でやってみたい。という方のアドバイスやワークショップ実施も是非ご相談ください。(アルネ小濁 info@artnais.net)

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2011年3月15日火曜日

17日灰釉研究最終日実施します(計画停電日)

17日は予定通り、9:00〜午前中目処に灰釉研究実施します。

大変恐れ入りますが、交通安全に充分気をつけてお集まりください。
9時に間に合うようにお越しいただき、活動後、お戻りの際には停電終了していると思われますが、時間の都合で前後される方もあるかもしれません。

もしあまりに不安でしたら、ご連絡ください。

2011年3月12日土曜日

灰釉研究データ印刷用一覧表作成しました

オニクルミ、桐、おが屑、栗、コーヒー、藁、マコモ、豆混合、トウモロコシ、赤松、トマト、芝、ひまわり、竹、スオウ、ネムノキ、モミがら、マユミ、そば殻他 の灰作りデータ・テストピース焼成結果を写真と共に一覧表にまとめました。

印刷用データとなっていますので、ご覧ください。

印刷するよりは、ディスプレーで見たほうが自然に見えるようです。

→ 灰釉研究/22年度やきものゼミ「灰釉研究データ一覧表ダウンロード」よりどうぞ。

2011年3月9日水曜日

結果が出揃いました

ねらいは、「身近な素材から釉薬を作る多くの過程の中で、自然から得られる個性を感じとること」でした。

材料集め、焼き、アク抜き、ミル擂り、調合施釉、焼成という行程の中で、様々な個性に対峙してまいりました。データ収集、ピース作りという作業も伴いました。

本日還元焼成分が焼き上がり、とうとう88ピース出揃いました。

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ざっと並べて感じること。思ったとおりの違い。思ったとおりの個性が現れてくれました。

私は目の当たりにして、腕を組み考えること数十分・・。これをどう消化し、どう理解するか悩みます。しかし、おぼろげながら自分なりの仮説が出来上がってきています。

みなさんはどう感じるでしょうか?それを期待します。

しばらくねおかんに置いてありますので、閲覧希望されるかたはどうぞお越しください。(メールでお問い合わせのうえ 4月以降)

いよいよ次回、来週の17日に携わった研究員さんと、まとめ会にて今回の研究を終了します。

2011年2月2日水曜日

テストピース酸化焼成。焼き上がりチラ見〜

先ほど、扉オープン。ぅあ〜っ!!すごいです。

この変化。一つとしておなじものありません。これから整理に入りますが、早くみたいかたはどうぞねおかんにいらしてください。
縮れるもの、粘る物、長石混合でも全くとけないもの。逆に単身でバッチリとけるもの。一言、美しいです!!

還元焼成は、来月末の予定ですが、きっと更に面白くなりそうですよ!

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2011年1月19日水曜日

テストピースの釉付け完了

個性豊かな灰。色、粘り、粒子。
似ているようでやはり違いました。

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制作中の様子。テストピースに番号を振り、調合。釉を一つづつ付けていきます。

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井上さんが、この後届けて下さったので+3種類。22種類となりました。
焼成は約2週間後となります。